戦国時代に登場したのぼり旗ですが、戦いのための旗印でした。
それまでの平和な時代には、のぼりは、外出する貴族などの一行の所属を表すものでした。
旗の形も少し違って、長方形の旗の上辺両角をひもで釣り上げた、吹き流しのような、流れ旗といわれるものでした。
東京にある薬科大学の講堂には、中国の貴族による「薬草狩り」の壁画があります。
行列している貴族一行の、所属する家の家紋と「薬草狩り」と染め抜いてある、流れ旗を持つお付のものが先導して、山の中で薬草を求めて、探している巨大な油絵の壁画です。
同じ大学の講堂の上の階には、家紋と「鹿狩り」と染め抜いた流れ旗を持つ、貴族の一行が、野生の鹿を追う姿が描かれています。
旗のデザインは、大きさこそ違いますが、今日の「相撲のぼり」に似て、上部に家紋、その下に縦書きで「鹿狩り」とありました。
現在の商業用ののぼりとは別に、のぼりは宗教施設にも使われています。
神社仏閣にある鳥居や参道に、祭ってある神様の正式名称や、お稲荷さんの正一位、正二位などの位を入れた、奉納のぼりもあります。
こういったのぼりは、信者の方の寄贈で作られ、多いほどご利益があるともいわれます。
祭られている神様の名の入った、多数の奉納のぼりを見て、参拝客はいっそうありがたみが増すといったところでしょうか。
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